(メルケル細胞癌に対する承認内容)
バベンチオ®の効能又は効果:根治切除不能なメルケル細胞癌
臨床成績
JAVELIN Merkel 200試験:国際共同第II相試験(EMR100070-003試験)1)2)
化学療法あり(パートA)
最良総合効果(BOR)*1(ITT)[主要評価項目]
治療開始6ヵ月時点の主要評価項目である奏効率は31.8%(95.9%信頼区間:21.9%,43.1%)†1、また、治療開始12ヵ月時点の奏効率は33.0%(95%信頼区間:23.3%,43.8%)でした†2。
![最良総合効果(BOR)*1[主要評価項目]](/mcc/clinicaltrial/images/001_img_02.png)
![最良総合効果(BOR)*1[主要評価項目]](/mcc/clinicaltrial/images/001_img_02.png)
*1:RECISTガイドライン1.1を基準に判定したCR又はPR。なお、抗腫瘍効果はRECISTガイドライン1.1版に基づき、独立評価項目レビュー委員会により実施した。
†1:2016年3月3日
†2:2016年9月3日
奏効期間(DOR)(ITT)[副次評価項目]
治療開始12ヵ月時点において奏効が確定した29例でのDOR中央値は未達[95%信頼区間:18.0ヵ月,推定不能、範囲:2.8〜23.3+ヵ月]でした†2。また、Kaplan-Meier法による推定では、奏効が確定した症例の93%(95%信頼区間:74%,98%)が6ヵ月以上のDORを示し、74%(95%信頼区間:53%,87%)が12ヵ月以上のDORを示しました。
標的病変の評価 | 治療開始12ヵ月時点†2 奏効症例数 29例 |
---|---|
奏効期間(DOR)中央値 | 未達[18.0ヵ月,推定不能] (範囲:2.8〜23.3+ヵ月) |
奏効が認められた症例のうち
6ヵ月以上持続した奏効の割合*1 12ヵ月以上持続した奏効の割合*1 |
93%[74%,98%] 74%[53%,87%] |
治療を受けた全症例(88例)のうち 6ヵ月以上奏効が持続した割合*2[持続的奏効率(DRR)] |
30.6%[20.9%,40.3%] |
+:打ち切りデータ
[95%信頼区間]
*1:Kaplan-Meier法による推定
*2:治療開始6ヵ月時点の奏効率及びKaplan-Meier法による推定値に基づき、事後解析を行った。
データカットオフ日:
†2:2016年9月3日
無増悪生存期間(PFS)(ITT)[副次評価項目]
治療開始12ヵ月時点のPFS中央値は2.7ヵ月(95%信頼区間:1.4ヵ月,6.9ヵ月)でした。また、Kaplan-Meier法による推定では、6ヵ月時点の無増悪患者の割合は40%(95%信頼区間:29%,50%)であり、12ヵ月時点では30%(95%信頼区間:21%,41%)でした。
![PFS[パートA(化学療法歴あり)]](/mcc/clinicaltrial/images/002_img_01.png)
![PFS[パートA(化学療法歴あり)]](/mcc/clinicaltrial/images/002_img_01_pc.png)
全生存期間(OS)(ITT)[副次評価項目]
治療開始12ヵ月時点のOS中央値は12.9ヵ月(95%信頼区間:7.5ヵ月,推定不能)でした。また、Kaplan-Meier法による推定では、6ヵ月時点及び12ヵ月時点の生存の割合は、それぞれ70%(95%信頼区間:59%,78%)及び52%(95%信頼区間:41%,62%)でした。
![OS[パートA(化学療法歴あり)]](/mcc/clinicaltrial/images/002_img_02.png)
![OS[パートA(化学療法歴あり)]](/mcc/clinicaltrial/images/002_img_02_pc.png)
奏効期間(DOR)(症例別)(ITT)[副次評価項目]
奏効が確定した29例のうち、21例において治療開始12ヵ月時点で奏効が持続していました。
![症例別の奏効までの期間及び奏効期間[パートA(化学療法歴あり)]](/mcc/clinicaltrial/images/003_img_01_pc.png)
![症例別の奏効までの期間及び奏効期間[パートA(化学療法歴あり)]](/mcc/clinicaltrial/images/003_img_01_pc.png)
標的病変の変化率(ITT)[探索的評価項目]
標的病変の腫瘍径の測定が可能であった65例について、奏効が認められた29例中22例(75.9%)では抗腫瘍効果判定初回時(治療開始7週)に腫瘍の縮小が認められました。29例中25例において6ヵ月以上の持続的奏効が認められました。
![標的病変のべースラインからの変化率[パートA(化学療法歴あり)]](/mcc/clinicaltrial/images/003_img_02.png)
![標的病変のべースラインからの変化率[パートA(化学療法歴あり)]](/mcc/clinicaltrial/images/003_img_02_pc.png)
標的病変の最良値までの変化量(ITT)[探索的評価項目]
標的病変の腫瘍径の測定が可能であった65例について、治療開始12ヵ月時点でのベースラインから最良値までの変化量は以下のようでした。
![標的病変のべースラインから最良値までの変化量[パートA(化学療法歴あり)]](/mcc/clinicaltrial/images/003_img_03.png)
![標的病変のべースラインから最良値までの変化量[パートA(化学療法歴あり)]](/mcc/clinicaltrial/images/003_img_03_pc.png)
化学療法歴なし(パートB)
2016年12月30日、2017年3月24日をデータカットオフ日として中間解析を実施しました。
持続的奏効率(DRR)(FAS)[主要評価項目]
中間解析時点では、イベント集積が十分でないため結果が得られていませんでした。
(2016年12月30日データカットオフ時点で持続的奏効率は評価していない。)
最良総合効果(BOR)*1(FAS) 「副次評価項目](中間解析時点)
治療開始6ヵ月時点の奏効率は71.4%(95%信頼区間:41.9%,91.6%)†1でした。
(2016年12月30日データカットオフ時点での奏効率は62.5%[95%信頼区間:35.4%84.8%])†2
![標的病変のべースラインから最良値までの変化量[パートA(化学療法歴あり)]](/mcc/clinicaltrial/images/005_img_01.png)
*1:RECISTガイドライン1.1を基準に判定したCR又はPR。なお、抗腫瘍効果はRECISTガイドライン1.1版に基づき、独立評価項目レビュー委員会により実施した。
*2:3ヵ月以上の追跡調査を行った29例、6ヵ月以上の追跡調査を行った14例の患者を含む。
*3:患者は、バベンチオ®とは因果関係のない有害事象のために評価前に死亡した。
データカットオフ日:
†1:2017年3月24日
†2:2016年12月30日
奏効期間(DOR)(FAS)[副次評価項目](中間解析時点)
治療開始6ヵ月時点でのDOR中央値は未達[95%信頼区間:4.0ヵ月,推定不能]でした†1。また、Kaplan-Meier法による推定では、奏効が確定した症例の100%(95%信頼区間:推定不能)が3ヵ月以上のDORを示し、89%(95%信頼区間:43%,98%)が6ヵ月以上のDORを示しました。
(2016年12月30日データカットオフ時点では、奏効が確定した10例が全例持続中であったため、DORの中央値及び95%信頼区間は推定できなかった。)
効果の持続*1 | 治療開始6ヵ月時点 |
---|---|
奏効期間(DOR)中央値 | 未達[4.0ヵ月,推定不能] |
奏効が認められた症例のうち 3ヵ月以上持続した奏効の割合 |
100%[推定不能] |
奏効が認められた症例のうち 6ヵ月以上持続した奏効の割合 |
89%[43%, 98%] |
[95%信頼区間] |
*1:3ヵ月以上の追跡調査を行った18例、6ヵ月以上の追跡調査を行った10例の患者を含む。
データカットオフ日:
†1:2017年3月24日
奏効期間(DOR)(症例別)(FAS)[副次評価項目](中間解析時点)
奏効が確定した18例のうち、16例において治療開始6週時点で奏効が持続していました。
](/mcc/clinicaltrial/images/004_img_01.png)
](/mcc/clinicaltrial/images/004_img_01_pc.png)
標的病変の変化率(FAS)[探索的評価項目](中間解析時点)
標的病変の腫瘍径の測定が可能であった30例中21例(70%)で、30%以上の標的病変におけるベースラインからの腫瘍縮小が報告されました。
](/mcc/clinicaltrial/images/004_img_02.png)
](/mcc/clinicaltrial/images/004_img_02_pc.png)
安全性*1(安全性解析対象集団)
本剤が投与された117例中85例(72.6%)に副作用*2が認められました。主な副作用は、疲労29例(24.8%)、infusion reaction 17例(14.5%)、下痢11例(9.4%)、悪心10例(8.5%)、発疹8例(6.8%)、無力症及びそう痒症各7例(6.0%)、斑状丘疹状皮疹及び食欲減退各6例(5.1%)でした。重篤な副作用は、パートAでは腸炎、infusion reaction、トランスアミナーゼ上昇、軟骨石灰化症、滑膜炎、尿細管間質性腎炎各1件であり、パートBでは歩行障害、infusion reaction、腫瘍随伴症候群各1件でした。副作用による投与中止は、パートAではトランスアミナーゼ上昇1件、パートBではinfusion reaction 2件、肝機能検査値上昇、腫瘍随伴症候群、胆管炎各1件でした。副作用による死亡は認められませんでした。(承認時)
*1:承認申請時評価資料に基づき集計した。
*2:治験実施時の定義に基づき、本剤投与開始日(1日目)から最終投与30日後あるいは次の抗癌剤治療開始日前日のいずれかのうち、早い時期に発現した副作用(本剤との因果関係が否定できない有害事象)を集計した。
※安全性解析対象集団については試験デザイン項目をご参照ください。
1)社内資料:国際共同第Ⅱ相試験(EMR100070-003試験)(2017年9月承認、CTD2.7.6.2)承認時評価資料
2)Kaufman, H.L. et al.:Lancet
Oncol 17(10):1374,2016
本試験は、Merck KGaA及びPfizerのスポンサーシップのもと、実施されました。
2023年2月作成 JP-AVE-00083 BVC37M001A